2枚落ち下手方銀多伝攻撃法及びその変化より
- 2015/09/30
- 15:52
① 図①で下手6六角(図②)と切るこの手筋は一見いかにも惜しまれるが、銀多伝に最も必要な攻撃の基礎となるべき手段であるから、よく意味を味わっていただきたい。同歩と取っては角道が止まる上、上手に4四歩と指されると、遊び駒である3二金を4三に運用されるから、局面は勢い力将棋の模様となって下手が面白くないのである。② 上手同金、下手同歩、上手4四歩までは双方が必然の推移である。③ 下手が6五歩と突きだすのも...
本物が宿るところ
- 2015/09/29
- 22:04
イタリアの偉大なヴァイオリニスト、パガニーニがあるときステージに上がり、聴衆の拍手が間もなく終わろうとしているとき、手にしていたヴァイオリンがいつもと違うことに気づきました。。その楽器に目をやると、それは彼が持つ最高級のものではないことがわかりました。それどころかそれは彼のものではありませんでした。一瞬彼は少し戸惑いましたが、すぐに聴衆に向き直り、なにかの間違いで自分のヴァイオリンではないものを手...
先手三間飛車VS後手7三桂早仕掛け 4七金に4二金直
- 2015/09/28
- 16:12
① 先手三間飛車VS後手7三桂早仕掛け 4七金に4二金直で6七銀、6五歩と定跡では進みますが、6五歩に換えて4四角とAperyは指していました。② 角交換後、6九角から4七の金を取って5七に打ちました。③ 居飛車は飛車先を突破できました。④ うまく寄せました。 ▲7六歩 △8四歩 ▲7八飛 △8五歩 ▲7七角 △3四歩▲6六歩 △6二銀 ▲6八銀 △4二玉 ▲4八玉 △3二玉▲3八玉 △5二金右 ▲...
持続力
- 2015/09/27
- 21:45
すべての問題を解き終わったときには、ものすごく嬉しかった。けれど、多くの難問を解いたことで格段に技術がついたとか、飛躍的に実力がアップしたというわけではなかった。 終わってみて気づいたのは、この難解な詰将棋200題に1日30分でも1時間でも向き合い、前日に考えたところから先を考えていくことで、将棋と自分が一体になっていたことだ。 毎日毎日、同じ詰将棋を考え続けても解けないと、途中で嫌気がさして、やめたく...
2枚落ち 上手5五歩止めに対する下手ハサミ銀の攻撃変化より
- 2015/09/26
- 19:42
① 将棋大観 2枚落ち 上手5五歩止めに対する下手ハサミ銀の攻撃変化より。4六と6六に銀を据えるハサミ銀は5五歩と天王山に歩を進めたときに有効であることが分かりました。これは上手2枚金急戦策でも有効であることが将棋大観に書いてあります。 ゴキゲン中飛車や先手中飛車でもハサミ銀が有効であったり、最近急戦矢倉でもハサミ銀戦法が有効であったり、いろいろと応用が利くと思いました。手合割:二枚落ち△6二銀 ▲...
投げないで考え続ける。
- 2015/09/25
- 22:08
ブレイン・ストーミングはこうして、いろいろな考えを引き出すのだが、はじめのうちに出てくるものは、多く常識的で、さほどおもしろいものではない。もうあらかた出つくしたというところで、さらに頭をしぼって生まれるのが、本当に新しい、これまでは夢にも考えられなかったようなアイディアである。 よく、考える、という。すこし考えて、うまくいかないと、あきらめてしまう。これでは本当にいい考えは浮んでこない。もうだめ...
歩とコンピューター
- 2015/09/24
- 14:46
歩の使い方がうまかったのは、大山先生である。とくに「と金」で攻めるのがうまかった。持ち駒が少ない中で、「と金」を作るのである。 こちらとしては、大山先生の持ち駒を計算に入れて戦っているつもりなのだが、思いもかけないところで戦力アップされてしまい、非常にやりにくかった。 すべての空間に打てると考えたとき、持ち駒と盤面の駒を含めると、指し手はまさに無限、この点がコンピュータが苦手としていることのようだ...
秀才型と天才型
- 2015/09/23
- 21:15
秀才型というのは、経験をもとに上積みしていくのです。非常に学習能力があって、一日一日強くなっていきます。自分の型やパターンを身につけて、それがはまったときには猛烈な強さを発揮します。たとえば、騎手の武豊などは秀才型でしょう。競馬界に生まれ育って、英才教育を受け、しかも自分のセオリーを持っている。・・・ ええ。じゃあ天才型というのはどういう人かというと、常にパイオニアなのです。何かを発明するとか、周...
将棋大観 2枚落ち 上手5五歩止めの奇襲に対する下手の攻防法より
- 2015/09/19
- 12:28
下手はここで8六飛と廻り、上手に唯一の手駒である桂を7一に打たせたこのような手筋は、しばしば実戦にあらわれる形であるから、飛車の活躍法として十分に記憶せられたい。将棋の戦いで自分の駒を有益に使用することは、もちろん大事なことであるが、敵の駒を浪費させるということは、なおさら必要なことである(将棋大観 14世名人木村義雄著 日本将棋連盟p104)。 実戦でこのような飛車の使い方が出来る様になれば、勝率ア...
プロの目とアマの考えより
- 2015/09/18
- 23:13
山田九段が棋界に貢献した業績は数多いが、その中のひとつに、アマープロの交流に力をつくしたことがあげられる。山田さんはアマチュア将棋に深い理解をもち、「現代将棋はプロ将棋とアマチュア将棋の結合」とまで言っておられる。 棒銀や穴熊がアマチュア将棋から出たことはよく知られるところであるが、これは棒銀戦法や穴熊戦法をプロ棋士が知らなかったということではない。どちらも、古く江戸時代の棋士によって指された棋譜...
負けて強くなるを読んで
- 2015/09/17
- 11:28
「負けて強くなる」という本のタイトルを見たとき、少し気が楽になりました。というのは私の人生は負け続けだったからです。しかし、その度に這い上がる恵みをいただきました。 よく考えてみると這い上がらせていただいた私は、這い上がる前の自分と比べ、一皮も二皮もむけて新しい自分に変えられた気がいたします。私はクリスチャンなので這い上がる度にキリストに似た性質に変えられた気がしてなりません。 加藤先生が負けて...
詰将棋の創作
- 2015/09/16
- 22:48
詰将棋の創作は、何となく湧き上がってくるささいな着想がきっかけでテーマが生まれて、それを根気よくこねくり回して、ようやく出来上がる。まさに阿吽の呼吸というべきか、運次第というべきか? もっとも、出来ないときのほうがはるかに多いが、そういうときは頭の中で使い古しのパターン物をとにかく仕上げる。作図のトレーニングをするわけだ。 私が作った詰将棋創作の格言に「作るのに困ったときの邪魔駒消去」「冴えなく...
激指チャレンジモード
- 2015/09/16
- 02:20
① 激指チャレンジモードです。プロの実戦譜は図①で終わっています。② 桂を成って飛車を9二に打ち込みました。③ 飛車と角二枚を手に入れ、寄せに入りました。④ ここで終了しました。⑤ 無事寄せました。先手: 先手 / 後手: 後手手合割:平手▲2六歩△8四歩▲2五歩△8五歩▲7八金△3二金▲2四歩△同 歩▲同 飛△2三歩▲2八飛△8六歩▲同 歩△同 飛▲8七歩△8四飛▲3八銀△3四歩▲2七銀△9四歩▲9六歩△4一玉▲3六銀△3三角▲7六...
どうやったら自ら転ばずに済むか。
- 2015/09/15
- 09:28
相手が強すぎて勝てないのではなく、自ら転んで負けているのです。ではどうやったら自ら転ばずに済むか。数々の敗戦を活かし、糧にすることで私は自ら転ぶことが少なくなりました。経験を活かすことでタイトルを取り、名人にもなれました(負けて強くなる 通算1100敗から学んだ直感精読の心得 将棋棋士 加藤一二三著 宝島社新書p96より)。 反省を怠ることは進歩を止めることではないかと思いました。絶えず、反省をして前...
激指チャレンジモードより
- 2015/09/15
- 01:59
① 激指チャレンジモードより 実戦の投了図です。② 8筋から攻めました。③ と金攻めです。④ 1枚1枚はがしていきます。⑤ ここで投了しました。⑥ うまく寄せました。先手: 先手 / 後手: 後手手合割:平手▲5六歩△3四歩▲5八飛△3二飛▲7六歩△4二銀▲3八金△6二玉▲4八銀△7二玉▲5五歩△3五歩▲6八金△3四飛▲6六角△1四歩▲4六歩△5二金左▲4七銀△3三桂▲5七金△4四歩▲5六金△4三銀▲6八銀△1三角▲4八玉△6二金上▲7七桂△...
終盤戦の土台をしっかり覚える。
- 2015/09/13
- 21:06
アマチュアでも、強豪と知られる人達は、例外なく「寄せ」のスピードが速いのに驚かされます。この事実は、終盤戦の土台をしっかり覚えることが、強者への第一歩であることを暗示しているのかもしれません。 初級者の将棋は、取られる駒は取り、取られそうな駒は逃げるといった単純作業の繰り返しといえましょう。それが、”必死”を勉強しますと、逃げる前に何か手段はないかと考える習慣がつきますから、自然ときびしい将棋を指す...
相振り横歩取り
- 2015/09/13
- 02:05
① 相振り相横歩取りの形になりました。② 居飛車の横歩取りと比べると形的に先後が逆になっているようです。③ 後手が連続王手千日手の反則負けになりました。先手: 先手 / 後手: 後手手合割:平手▲7六歩△3四歩▲7七角△3三角▲8八飛△2二飛▲8六歩△2四歩▲7八金△3二金▲8五歩△2五歩▲8四歩△同 歩▲同 飛△8二歩▲3八金△2六歩▲同 歩△同 飛▲2七歩△7六飛▲5八玉△5二玉▲3四飛(図①)△7二金▲8八銀△7四飛▲3五飛△8三...
新しい戦術について
- 2015/09/12
- 22:24
相振り飛車にして横歩取りや角換わり腰掛銀のような戦い方や居飛車の横歩取りで玉を銀冠や穴熊にする方法はないか最近、閃きました。調べてみましたが可能かもしれないと思いました。...
続将棋クラブより
- 2015/09/11
- 21:27
① 今日の将棋クラブ第二局 先手急戦5七銀左戦法VS後手四間飛車の戦いです。先手MさんVS森下です。② 鈴木大介先生のお書きになった「振り飛車のススメ」が役に立ちました。③ 3八歩は鈴木先生の本に書いてありました。時間切れでここまででした。▲7六歩 △3四歩 ▲2六歩 △4四歩 ▲4八銀 △4二飛▲5六歩 △3二銀 ▲6八玉 △6二玉 ▲7八玉 △7二玉▲5八金右 △5二金左 ▲6八銀 △8二...
先手四間飛車穴熊VS後手右四間左美濃
- 2015/09/11
- 19:06
① 本日の将棋クラブ。先手MさんVS森下です。先手四間飛車穴熊VS後手右四間左美濃の戦いです。② 後手に離れ駒ができた瞬間に先手が仕掛けました。③ 後手は銀を犠牲にと金を作り、先手は、銀を犠牲に飛車を捌いてきました。④ 先後飛車を敵陣に打ちました。 龍取りと穴熊の弱点2七の地点を狙う絶好の54角打です。⑤ 1八香を取ると穴熊崩しが早くなると森けい二先生のお書きになった本に書かれていました。⑥ うまく桂を使...
教科書と基本に学ぶ
- 2015/09/11
- 11:32
① 将棋大観 2枚落ち定跡2歩突っ切り 上手の右翼玉に対する下手3八飛回り4筋攻撃法よりp92備考2枚落ちの力の相違で、この様に飛車を切ったり角を切ったりして勝つ手、しかも数手前から変化も読み切って指すことは、実戦では恐らく不可能なことであると読者は申されるに違いない。もちろん一理あると思うが、知らなければ出来ないのはあたりまえであるが、かく定跡手筋によって覚えたら私は必ず出来得るものと信ずるのである...
激指チャレンジモードより
- 2015/09/10
- 09:28
① 投了図から。② 飛車を切って玉の左の退路を遮断しました。③ 端攻めです。④ 1二飛打ちをさせない敵の討ちたいところに打つ攻防の1二香。⑤ 必至をかけます。⑥ 先手も香をなって玉を攻めてきました。その後、なんとかしのいでいましたが、ここで先手は投了しました。⑦ うまく寄せました。先手: 先手 / 後手: 後手手合割:平手▲7六歩△3四歩▲7五歩△8四歩▲7八飛△8五歩▲4八玉△6二銀▲3八銀△4二玉▲3九玉△3二玉▲7六...
後手右四間飛車
- 2015/09/09
- 23:09
① 先手四間飛車vs後手右四間飛車の戦いです。四間飛車から三間飛車に変化して待機します。ここで後手が6五歩から仕掛けます。② 角交換します。その後角を打ち合います。③ 再び角を打ち合い、角交換します。先手は2手得しました。④ ここから桂を交換します。先手は銀を5七に下げます。⑤後手は馬を作り、先手も好位置に角を打ちます。⑥ 先手も馬をつくって香を打って、飛車を9二に追いやります。▲7六歩 △3四歩 ▲6...
詰将棋の効果
- 2015/09/08
- 22:12
それ以外にも効果的なのは、詰将棋を解くことによって、盤面に深く集中して将棋が指せるように、盤上没我の境地を目指して充電することだと思います(じっくり解こう詰将棋 ちょっと手強い7手詰200題 詰将棋マスター 森信雄著 実業之日本社 はじめにより)。 私も毎日、詰将棋パラダイス、将棋世界の詰将棋、市販の詰将棋の本を解いています。おかげで1時間でも時間を忘れて盤面に集中できるようになってきました。集中力を...
居飛車急戦のコツ
- 2015/09/07
- 17:15
5五同歩。この場面でもやはり腰を落として攻める順が正しい。派手なさばき合いは玉の堅い振り飛車の望むところ。棒銀側は銀の厚みによって、さばきを押さえ込んで勝つという感覚が大切である(羽生の頭脳 急戦四間飛車破りpart2 羽生善治著 日本将棋連盟p75より)。 居飛車急戦の戦い方のコツが上記に記されていました。腰を落として銀の厚みによってさばきを押さえ込んで勝つ感覚が大事だと思いました。厚みを作る将棋を...
中飛車戦法について
- 2015/09/06
- 23:24
"中飛車戦法”の本来の狙いは、一気に中央を破ることにあるのではなく、”居飛車側”の布陣を重い形、つまりコリ形にして、その虚に乗じて戦いを有利に導かんとするにあるのである。 もとより中飛車の攻撃力は、居飛車側の応手が悪いときには凄まじい威力を発揮するものであるから、序盤の一手一手がつねに危機をはらむものと思っていただきたい。したがって中飛車側も敵陣に欠陥が生じない場合には、無謀な戦いを挑めば必ず失敗する...
垂れ歩
- 2015/09/05
- 22:07
① 第18期王将戦2次予選 塚田正夫9段VS芹沢博文8段戦 先手の7四歩は、角と桂の利きをけん制した③けん制の垂れ歩である。後手の5六歩は、①攻撃拠点の垂れ歩。後手番なら8六歩、同角、3五銀、同金、同角で5七歩成を狙う。また、8六歩、同歩、5七銀、同銀、同歩成、同角、8六飛は金桂両取りで後手優勢となる。ここで先手は後手の二つの狙いをどう受けたのか?② 正解は5三歩で本局の勝因になった垂れ歩である。5三同角...
最近知った出来事から
- 2015/09/04
- 23:01
先日、全米オープンテニスで錦織圭選手が一回戦で敗れましたが、いろんなコメントを見ていると相手が教科書にない戦い方をしたと書かれていました。 また、太平洋戦争のマリアナ沖海戦の映像を見る機会がありましたが、日本軍は長距離を飛んでいったり来たりするアウトレンジ戦法をとりましたが、アメリカ軍は最新式のレーダーでかなり遠くから捕らえ、ゼロ戦を徹底的に研究して作られた戦闘機で待ちうけ、対空砲火も飛行機の近く...
対振り飛車戦の決め手
- 2015/09/03
- 22:15
① 先手の5一銀成は、一番よい取り方で、6一銀成は、金銀を交換するだけで、たいした得は収められない。後手の5一同金は当然で、6七金打と攻め合っても。6一成銀で、先手の玉に詰がないから負けである。先手は6二角成と、強く寄せに行くのがよい。後手に金銀を持たせたので、ゆるんでいるとうるさくなる。6二同金、同飛成までは、必然の進行。ここで後手は6一金と受ける一手。先手は6三銀打(図②)とあくまでも追撃すべき...
振り飛車のコツを知る
- 2015/09/02
- 22:19
私は振り飛車の実戦数が多いのですが、振り飛車の戦いの原理というのは、「玉より遠くにいる駒を活用」することが大切です。これが考え方の基本になるわけです。① 図①を見てください。このように6七銀と7八金がいる形では、ふつうなら6七銀がより敵陣にせまっているというところから、この銀を繰り出して戦いに参加させ、活用させたいと思いたくなるでしょう。 ところが振り飛車に精通した人は、敵陣に近い銀ではなく、まず「...